商品ネーミングの普通名称化イメージ

商品ネーミング

事例:正露丸

ラッパのマーク"大幸薬品の正露丸"と言えば、日本人なら誰でも知らない人はいないほど有名ですが、
太平洋戦争が終わるまでは"征露丸"と表示されていました。

これは、日露戦争で衛生状態の悪い地域に行った時の下痢止めとして開発されていたという歴史的背景から、ロシアを倒すという当時の軍人たちの強い意志の表れであったようで、その名前が時代にそぐわなくなったために後に名称変更されたようです。

また商品名の上に大きく描かれているラッパのマークは、日清戦争の時に敵の銃弾を受けても決して進軍ラッパを離さなかったという"木口小平"という兵士のエピソードにちなんで考案されたもので、当時を知らない人にとってこのマークは全く意味の分からない不思議なものであるにちがいありません。

この"正露丸"という商品名は、"大幸薬品"が商標登録をしていますが、最高裁では1974年にすでに普通名称化しているという判決が下されており、現在はどこの製薬会社が同じ名称で商品を販売したとしても商標権の侵害にはなりません。

その結果、実際に『正露丸』とネーミングされた商品が、現在の時点で30種類くらいにのぼると言われています。

それらのパッケージを見ると、どの社のものもオレンジ色の地色の周囲に黒の飾り罫があって、縦に"正露丸"と書かれていて、その上にマークが描かれているのですが、これだけ多くの部分が似ていると、パッと見たときにどれが本物なのか見分けがつかなくなります。

そして冷静になって眺めてみると、マークが王冠であったり、熊であったり、鳩であったり、イカリであったりしますが、最初に目に入るパッケージの地色が"大幸薬品"のものと同じオレンジ色であるという時点で8割~9割程度消費者の意識の中で両者が重なってしまいます。

このようなことから過去には社名をめぐって訴訟にまで発展することもありましたが、殆ど原告の"大幸薬品"側の言い分が却下されているようです。

けれども個人的には、"大幸薬品"の味方をしたくなるほど普通名称化によって起こされた他社の行為には、裁判では罪に問われないとはいうものの何となくすっきりしないものを感じます。

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商品ネーミングの普通名称化は、ネーミングについて解説しています。

商品ネーミングの普通名称化Pick!:商標の普通名称化(一般名称化)

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