商品ネーミングの普通名称化イメージ

商品ネーミング

事例:招福巻

大阪の中央区に本社を置く老舗寿司店・『小鯛雀鮨 鮨萬』は、1653年の創業以来材料へのこだわりとその優れた技術によって、消費者から大きな信頼を得ています。

もともとは魚屋であったこの店は、その傍らで作って販売していた"小鯛雀鮨(こだいすずめずし)」"の人気が高まって事業を拡大し現在に至っているわけですが、350年もの長きにわたって大阪を代表する寿司店として食の文化を築き上げてきた功績は、非常に高く評価されています。

また自らが考案した節分巻きずしを『招福巻』と名付けて1988年には商標登録を終えていました。

ところが大手スーパーのイオンが節分用の巻きずしに『十二単の招福巻』という名前をつけて販売するようになったために、"小鯛雀鮨 鮨萬"は2008年に大阪地裁に訴訟を起こしました。

これに対して2008年10月の一審・大阪地裁の判決では、辞書には"恵方巻"と掲載されていることからも"小鯛雀鮨 鮨萬"が商標登録している『招福巻』という名称は、普通名称とは認められないが、イオン側がつけた『十二単の招福巻』という名称はこれに類似しているために"小鯛雀鮨 鮨萬"がもつ商標権を侵害しているということで、イオンには損害賠償金の支払いと商品の差し止めが言い渡されました。

この判決を不服としたイオンは控訴し、次の第二審・大阪高裁では『招福巻』の名称は2006年以降にはすでに多くのスーパーで『招福巻』の名称が用いられて、それを特定の業者の商品であると認識するものはいなかったことから、その商標はすでに普通名称化しており、商標権の効力は及ばないという判断が2010年1月になされていました。

さらにこの判決を受けて"小鯛雀鮨 鮨萬"は上告し『招福巻』の名称の使用差し止め等の請求を起こしましたが、最高裁は同年の10月にはその上告を受理しないという決定を下し、イオンが逆転勝訴した二審の判決が確定することになりました。

これも、『招福巻』という商標に対して普通名称化が起こっていたのかどうかという点が争点となっています。

商品ネーミングの普通名称化区切り線

商品ネーミングの普通名称化は、ネーミングについて解説しています。

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